山﨑恵美さん
今回の資格取得にあたり、私は出産、育児をしながら国家試験に臨みました。そのため、みなさんとはだいぶ異なった環境におりましたが、限られた時間の中で学習してきたことは共通であるという思いから、自身の学習方法を紹介させていただくこととしました。
私の場合、勉強を開始したのは産休に入った8月からですが、出産後は育児のため参考書を開く時間がほとんどなかったため、実際に勉強したのは出産までの約一ヶ月間でした。
使用した参考書は中央法規のワークブックと過去問解説集、進めた順番は、①各教科のテキストを流し読みする、②過去問を解く、③過去問の解説や他から得た情報をワークブックに追記していく、④ ②③を繰り返す、⑤苦手ノートを作る、です。
①について、この試験は科目数がとても多いので本当にサラッと読む程度です。覚えようとするのではなく、「へぇ、そうなんだ」程度の気持ちで読んでいました。ただし、更に時間がない方は全て読むことはせずに、ワークブックを読んだり、過去問の解説を読む時の参考に開いたりしても構わないと思います。いきなり過去問から解くことももちろん効率的ですが、私の場合はある程度知識を入れてから解いたほうが最終的に頭に定着しやすいのでそのようにしました。
③について、ワークブックには過去に出題された箇所、その周辺の情報がバランスよく記されており、共通・専門科目を各一冊で網羅しているため非常に使い勝手が良いです。あとは学習を進める中でそこに載っていない情報や、過去問解説集などから得たポイント、間違いやすい箇所などを余白に書き込むことで、自分専用の最高の一冊が出来上がります。
④⑤について、過去問を解く中で何度も間違ってしまう個所が出てくると思います。その部分についてまとめたノートを作ることで、すぐに振り返ることができるため、学習の効率も更に向上します。また、試験勉強は参考書や過去問などを「見る」ことが多いため、「書く」作業をすることで記憶に定着しやすく、気分転換にもなります。ただし、ノート作りに一生懸命になりすぎず、メモ程度に書き留めることが一つのコツだと思います。なかには「社会福祉法人」「社会医療法人」「医療法人」「NPO」「認定NPO」などの似た語句に対して表を作成して一覧にしたほうが良いものもあります。「課税の有無」「収益事業の可、不可」等内容が混乱しないようにしてください。
私は一ヶ月間で①~⑤を継続し、育児中のすきま時間でワークブックと苦手ノートを見返していました。一日10分程でしたが、産休中に勉強できただけでも他の方より時間をとることができたほうかもしれません。
暗記の仕方についてですが、非常に多くの知識を頭に詰め込む必要があるため、キーワードで覚えることをお勧めします。例えば認知症には様々なタイプのものがありますが、アルツハイマー型は「女性多 脳萎縮 徘徊」、レビー小体型は「幻視 パーキンソン症状」、血管性は「男性多 まだら」といったように覚えることで、本試験のような正誤判断で解答する試験に十分通用します。
最後になりますが、勉強というのはすればするほど不安になってくるものです。ですが、最初は点と点でしかなかった知識が学習後半になると線と線で結ばれ、一気に理解が増します。そのためにも継続して学習することがなによりも大事なのです。みなさん、どうか最後まで頑張って走り抜きましょう。でも、たまには足を休めてホッと一息ついてくださいね。応援しています。