山本賢太郎さん
私は、通信での勉強とその後の国家試験までの2年間、当初考えていたとおりの理想的な学習ができたとはいえません。それでもなんとか、国家試験に合格できました。
1年目は、職場での異動もあり、時間的にも精神的も余裕がなく、最初のレポート提出時期を迎えても何科目かこなすことができないありさまでした。
やり遂げられないのではないかと半分諦めながら迎えた最初のスクーリングでしたが、大きな転機になったように思います。同じように苦労しながらも、しっかり国家試験を見据えながら学習している仲間の姿に励まされ、もっと頑張らねばと刺激を受けることができました。
2年目の夏は、近くの大学図書館に通い、未提出のレポート9本を含め、限られた時間ではありますが学習に集中しました。子どもたちと遊ぶ時間も短くなり、家族にも迷惑をかけましたが、自宅を離れ集中できる環境を作ることでなんとかやりとげることができ、ホッとしたのを覚えています。レポートを9本も落とすような学習のしかたは到底おすすめできるものではありませんし、お金も余分にかかってしまいいいことは何もありません。しかし、どんなにたいへんな状況であっても、諦めてしまうよりはずっといいのだと考え、最後まで粘り強くやりとげたことだけはよかったなと思っています。
国家試験の勉強は、ようやく10月頃からはじめました。使ったのは、『いちばんわかりやすい!社会福祉士合格テキスト』(成美堂出版)だけです。ケアマネジャーのときも、同じシリーズを使って一発合格した、自分にとっては縁起の良いテキストです。大切なのは、いろいろなテキストに手を出すよりも、同じテキストを3度繰り返すほうがずっと身につくということです。1冊のテキストで100%の知識を得ることはできませんが、合格ラインに到達するための内容は網羅されているはずです。最初は何が書いてあるのか、どこから理解し覚えていったらいいのかもわからないと思いますが、とにかく読み進めました。2回目はずっと楽に読めたし、3回目になれば知識が身についている実感を得ることができました。
言うまでもありませんが、「できた」ことが大切なのは、国家試験当日だけです。それまでの学習で大切なのは「できなかった」部分であり、それを「できた」に変えていくことです。ですから、できなかった部分の解説をしっかり読みながら、「できなかった」を「できた」に変えていけるような学習を心がけていました。
過去問や模擬試験も、できたことに満足していては意味がありません。解説をしっかり読み、なぜ間違ったのか理解していかなくては、時間をかけて取り組んだ意味がないと思います。
人それぞれに様々な過程を経て国家試験の日にたどりつくと思いますが、学校を選ぶうえで大切なのは、やはりその日に結果を出せるかどうかということにつきると思います。そういう意味では、仲間に恵まれ先生の教えや助言に心打たれ、有意義に過ごすことのできた2年間でした。
思っていたように学習できない時もあると思います。それでも、決して諦めることなく、腐ることなく、少しずつでいいのでコツコツと前進して目標を達成することができるようお祈りいたします。