村山祐太さん
福祉の現場で働いていれば例えば高齢者施設なら「高齢者に対する支援と介護保険制度」、障害者施設なら「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」の科目を職場の中から学習できますが、私は福祉職ではなかった為それができない中での受験勉強になりました。しかし他の仕事には就いていたので学生さんほどの勉強時間も取れない、とにかくコツコツ進めないと勝ち目はないなという状況に私はいました。
一般通信学科でレポートがあった内は手一杯になるので受験用の勉強はせず、提出を終えてから参考書の『社会福祉士の合格教科書』(医学評論社)を片隅から覚えようと9月の初めに開きました。夜は平均して1~2時間は勉強時間をとれましたが、社会人なので飲み会の付き合いなどもあり勉強は週に5日程度、共通・専門計19科目を3日に1科目暗記するペースでおよそ3ヶ月、11月の終わり頃に上記参考書をまるまる暗記する、という勉強の進め方でした。
社会福祉士試験は出題範囲が極めて広く、満点を狙っていては1冊の参考書では足りません。だからと言って複数の参考書を無理に詰め込むことも限界がありますし、逆に出題予想を絞って部分的に学習することも功を奏しません。幸い合格点は60%と高い設定ではないため、「1冊まるまる暗記」というスタイルがやはり無難だったなと思います。
12月に入ってからは「まるまる暗記」の復習の徹底でひたすら頭に書き込み、同時に別の参考書も少しずつ確認し、未学習の領域をカバーしました。しかしこれは補足程度で、暗記した方の参考書の内容を忘れない事を前提に開いたくらいです。
模試は受けていません。勉強をしていない段階での模試は、試験の雰囲気に慣れる意味合いはあっても内容にはあまり意味がないため、私は社会人としてそれなりに試験の場数は踏んでいますので大丈夫だと判断したからです。その代わり、12月後半~1月に入ってからはひたすら過去問・予想問題集を解いて実践練習をしました。やはり暗記しただけでは応用的な解き方は不足しています。「何点取れるか」とレベルを測るための過去問練習ではなく、解説をしっかり読んで勉強をするためにとにかく問題を解きました。試験1ヶ月前の休日の勉強時間は6時間ほどです。
ぎりぎりの合格点を目指した勉強では当然不合格になる可能性も高くなるので、合格点が約90点のところ私は110点とれる実力を目安にしました。それが上記の勉強法で、実際の試験の結果は合計107点でした。年度によって問題の難易度も変化しますが、110点目安の勉強なら概ね合格圏を狙える実力は備わっているでしょう。
いくら勉強をしても不安は募ります。不合格となりそれまでの学習がふいになる事は絶対に避けたかったので、その分ストレスも溜まりました。ですから息抜きも積極的にして、休息も含めて計画的に進めることが大切です。あとはモチベーションをどう保つか、試験終了後の解放感と充足感、合格時の達成感は努力したほど大きいなと信じてそれをやる気に繋げました。
学問に王道なし、の通りで地道に暗記するという進め方が、ストレス管理やモチベーション維持も含めて合格への一番の近道なのだろうと感じます。また「なぜ社会福祉士になりたいのか」「どう福祉に役立ちたいか」を思い出すようにしたら勉強内容への関心も高まって、楽しみながらの勉強とすることができました。